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学位授与式

2016年03月12日

修士2年生4名、4年生10名がそれぞれ修了ならびに卒業しました。おめでとうございます。それぞれの分野でのご活躍を祈っています。

160312

教職員ならびに学生の皆様へ

下記の要領で、 東京大学の村田幸久先生によるセミナーを開催いたします。
このセミナーは腫瘍医科学研究室が主催する大学院講義(細胞生物学特論Ⅱ)の時間中に開催いたしますが、受講していない方々にも有意義な内容となっております。教員、大学院生、学部学生の皆様もぜひご参加ください。


食物アレルギーは食生活の現代化に伴って増加の一途をたどっている疾患の代表例です。村田先生は食物アレルギーの根本的な治療を目指して先駆的な研究を進められており、近年アレルギー反応を抑制する物質を発見するなど成果を挙げておられます。アレルギーについて基礎的な内容から最先端の研究成果まで紹介して頂けると思います。

日時:1月22日(金)17時00分〜18時30分 
場所:2204講義室

講師:
村田 幸久 先生東京大学大学院農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室  准教授・獣医師
演題:
食物アレルギーの科学   ~食べたいものを安心して食べられるように~
要旨:
「小さい時に、卵がダメだった」「自分が小麦アレルギーでお母さんが大変そうだった」「カニは好きだけどアレルギーがあって、でもこれくらいの量なら、、」そんな経験を持つ人は少なくはない。食物アレルギーは食品抗原が引き起こすアレルギー反応であり、小さな子供に特に多く発症する。下痢や嘔吐などの症状以外に、重篤になるとショックを起こして救急車で運ばれたり、不幸にも死に至るケースもある。そんな身近で恐ろしい食物アレルギーではあるが、その診断方法や治療方法の開発は遅れている。「小さな子供が食べたいものを安心して食べられるように」そんな願いから我々は、炎症制御にかかわる脂質メディエーターを対象に、食物アレルギーの診断方法の確立や、発症メカニズムの解明、そして治療方法の確立を目指して研究を進めている。本講義では、食物アレルギーを含むアレルギー疾患に関する一般的な情報から、我々がこれまでに得ている研究成果、今後の展望について紹介したい。
文献:
PGD2 deficiency exacerbates food antigen-induced mast cell hyperplasia.    Nakamura T, Maeda S, Horiguchi K, Maehara T, Aritake K, Choi BI, Iwakura Y, Urade Y, Murata T.    Nat Commun. 2015 Jul 10;6:7514. doi: .1038/ncomms8514

主催:腫瘍医科学研究室
連絡先:吉松康裕(yoshimat@toyaku.ac.jp)

 

教職員ならびに学生の皆様へ

下記の要領で、東京医科歯科大学の黒柳秀人先生によるセミナーを開催いたします。
このセミナーは腫瘍医科学研究室が主催する大学院講義(細胞生物学特論Ⅱ)の時間中に 開催いたしますが、受講していない方々にも有意義な内容となっております。 教員、大学院生、学部学生の皆様もぜひご参加ください。


 

日時:1月21日(木)13時40分〜16時50分 (3・4限)

場所:2204講義室講師:黒柳 秀人 先生東京医科歯科大学 難治疾患研究所 准教授

演題:
遺伝子発現の転写後制御:

真核生物のmRNA前駆体は、転写後プロセシングを受けて成熟mRNAとなる。選択的プロセシング(スプライシング・ポリA付加)は、1つの遺伝子から多様な配列のmRNAを産生する仕組みで、タンパク質の多様性に最も寄与している。ヒトでは90%以上のタンパク質遺伝子が何らかの選択的プロセシングを受け、そのうちの多くは組織・細胞種特異的あるいは発生段階依存的な制御を受けている。このように選択的プロセシングは遺伝子発現の重要な制御機構の1つであるが、その分子機構は完全には解明されておらず、「細胞暗号」とも呼ばれる。私たちは主に線虫Caenorhabditis elegansを用いて選択的プロセシングパターンを生体内で可視化し、遺伝学的、生化学的、生物情報学的、構造生物学的な手法を組み合わせて、選択的プロセシング制御の分子機構の解明に取り組んでいる。本講演では、これまでの私たちの研究の手法とその成果を紹介する。

文献:

1. Kuwasako et al. RBFOX and SUP-12 sandwich a G base to cooperatively regulate tissue-specific splicing. Nature Structural & Molecular Biology. 21: 778–786, 2014.

2. Kuroyanagi et al. CELF family RNA-binding protein UNC-75 regulates two sets of mutually exclusive exons of the unc-32 gene in neuron-specific manners in Caenorhabditis elegans. PLoS Genetics. 9: e1003337, 2013.

3. Kuroyanagi et al. Position-dependent and neuron-specific splicing regulation by the CELF family  RNA-binding protein UNC-75 in Caenorhabditis elegans. Nucleic Acids Research. 41: 4015-4025, 2013.

4. Kuroyanagi et al. Visualization and genetic analysis of alternative splicing regulation in vivo using  fluorescence reporters in transgenic Caenorhabditis elegans. Nature Protocols. 5: 1495-1517, 2010.

5. Ohno et al. STAR family RNA-binding protein ASD-2 regulates developmental switching of mutually exclusive  alternative splicing in vivo. Genes & Development. 22: 360-374, 2008.

主催:腫瘍医科学研究室

連絡先:吉松康裕(yoshimat@toyaku.ac.jp)

 

教職員ならびに学生の皆様へ

下記の要領で、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの蓑田 亜希子 先生によるセミナーを開催いたします。
このセミナーは腫瘍医科学研究室が主催する大学院講義(細胞生物学特論Ⅱ)の時間中に開催いたしますが、受講していない方々にも有意義な内容となっております。教員、大学院生、学部学生の皆様もぜひご参加ください。


ゲノム解析は、次世代シークエンサー(NGS)や1細胞解析の技術開発とともに新たな時代を迎えています。蓑田先生は、かねてよりエピゲノム制御を追究して来られ、近年ではヒトを含む後生生物を広く対象にして、ゲノムワイドなクロマチン構造の特性を詳らかにするとともに、進化的な視点から新知見も導き出しました。本セミナーは英語で行われますが、大規模解析とエピゲノムの醍醐味を基礎から最先端まで拝聴できると思います。

日時:1月20日(水)11時10分〜12時40分
場所:4302講義室
講師:
蓑田 亜希子 先生
理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター
機能性ゲノム解析部門 ユニットリーダー
演題:Epigenomic analysis of histone modifications in Drosophila and human
要旨:
DNA is packaged in nuclei in a highly ordered and regulated manner as chromatin, by wrapping around histone octamers to form nucleosomes. Many covalent chemical modifications are found on the amino-tails of histones, many of which are important for regulating higher order chromatin structure and transcriptional regulation. Therefore, histone modifications play an important role in epigenetic regulation, by altering transcriptional states without changing the underlying DNA sequences. Identifying where these histone modifications exist in the genome is referred to as ‘Epigenomic analysis’ by NGS (next generation sequencing) methods. In this lecture, I will introduce what epigenomic analyses are possible with the focus on histone modifications by describing my work in modENCODE for Drosophila melanogaster as well as ENCODE consortium for human.
文献:
1.Ho JW, Jung YL, Liu T, Alver BH, Lee S, Ikegami K, Sohn KA, Minoda A, et al. Comparative analysis of metazoan chromatin organization. (2014) Nature 512: 449-52
2.Kharchenko PV, Alekseyenko AA, Schwartz YB, Minoda A, Riddle NC, Ernst J, Sabo PJ, Larschan E, et al. Comprehensive analysis of the chromatin landscape in Drosophila melanogaster. (2011) Nature 471:480-5.
3. Riddle NC, Minoda A, Kharchenko PV, Alekseyenko AA, Schwartz YB, Tolstorukov MY, Gorchakov AA, Jaffe JD,Kennedy C, et al. Plasticity in patterns of histone modifications and chromosomal proteins in Drosophila heterochromatin. (2011) Genome Res 21:147-63.
主催:
腫瘍医科学研究室
吉松康裕(yoshimat@toyaku.ac.jp)

教職員ならびに学生の皆様へ

下記の要領で、がん研究会がん研究所の高橋暁子先生によるセミナーを開催いたします。
このセミナーは腫瘍医科学研究室が主催する大学院講義(細胞生物学特論Ⅱ)の時間中に 開催いたしますが、受講していない方々にも有意義な内容となっております。 教員、大学院生、学部学生の皆様もぜひご参加ください。


細胞老化ががんの発生においてどのような役割を果たすかについては近年注目を集めています。 がん研究会がん研究所の高橋暁子先生はこのテーマについて先駆的な研究をしており、最近は老化細胞が産生するさまざまな炎症性タンパク質の発がんにおける役割を明らかにするなど大きな成果をあげておられます。本講演ではこうした内容を含めた最先端の研究成果も紹介して頂きます。ご興味のある方はぜひご参加ください。

日時:1月14日(木)17時〜18時30分
場所:2204講義室
講師:
高橋 暁子 先生
公益財団法人がん研究会 がん研究所 がん生物部 主任研究員
演題:細胞老化の二面性:がん抑制と発がん促進機能について
要旨:
私たちの体を構成する正常な体細胞は無限に増殖することができず、ある一定の回数細胞分裂を繰り返した後には増殖を停止してしまうことが知られています。つまり正常な細胞には細胞分裂の寿命が存在し、この現象は細胞老化と呼ばれています。細胞老化は、様々な発がん性のストレスによっても誘導され、異常をもった細胞の増殖を不可逆的に停止させることから、アポトーシスと並んで重要ながん抑制機構の一つであることが明らかになってきました。一方で、細胞が死滅するアポトーシスとは異なり、細胞老化を起こした細胞(老化細胞)は生体内に長期間存在し続け加齢とともに体内に蓄積してゆきます。最近の研究によって、体内に溜まった老化細胞がさまざまな炎症性タンパク質を高発現することでがんを始めとする加齢性の疾患を引き起こす副作用があることが明らかになりつつあります。本講義ではがん抑制と発がん促進という正反対の二面性をもつ細胞老化について、これまでの研究成果を紹介します。
文献:
1.Sato S et al. (2015) Reversing the ageing phenotypes of klotho mice by ablating the p16INK4a tumour suppressor. Nature Commun. 6: 7035
2.Imai Y et al., (2014) Crosstalk between the Rb Pathway and AKT Signaling Forms a Quiescence-Senescence Switch. Cell Rep. 7: 194-207
3.Takahashi A et al., (2012) DNA Damage Signaling Triggers Degradation of Histone Methyltransferases through APC/C(Cdh1) in Senescent Cells. Mol Cell 45: 123-131.
4.Takeuchi S et al., (2010) Intrinsic cooperation between p16INK4a and p21Waf1/Cip1 in the onset of cellular senescence and tumor suppression in vivo. Cancer Res 70: 9381-9390.
主催:腫瘍医科学研究室
連絡先:吉松康裕(yoshimat@toyaku.ac.jp)

教職員ならびに学生の皆様へ

下記の要領で、国立がん研究センター研究所の青木一教先生によるセミナーを開催いたします。
このセミナーは腫瘍医科学研究室が主催する大学院講義(細胞生物学特論Ⅱ)の時間中に 開催いたしますが、受講していない方々にも有意義な内容となっております。 教員、大学院生、学部学生の皆様もぜひご参加ください。


青木一教先生はがん微小環境における免疫応答の分子メカニズムの解明や、それを応用させたがんの免疫療法の開発において先駆的な研究に取り組んで成果をあげておられます。これらを含めた最先端の研究成果も紹介していただけると思いますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

日時:1月13日(水)11時10分〜12時40分
場所:4302講義室
講師:
青木 一教 先生
国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野分野長
演題:新しいがん免疫療法の幕開け
要旨:
CTLA-4抗体やPD-1/PD-L1抗体などの免疫チェックポイント阻害剤の登場により、がん免疫療法は新しい時代に入りました。これまでの副作用はないものの抗腫瘍効果もあまり見られなかった時代から、明らかに腫瘍を縮小し患者予後を延長できるようになり、がんの治療体系を変えつつあります。まず、本講演では、がん免疫療法の現状を概説し、今後の展望を明らかとします。しかし、これらチェックポイント阻害剤も、抗腫瘍効果は発揮するものの免疫応答には個体差が大きく、効果がない例も多く、また獲得耐性の出現により結局根治には至らない場合がほとんどです。これらの克服が次の大きな臨床的課題となっています。治療不応性は、がん組織の免疫抑制環境の多様性や生体での免疫応答の複雑さが原因であり、これらはがん細胞の様々な分子遺伝学的異常に起因すると考えられています。そこで、我々は、がんの免疫環境の分子背景を明らかにしようとしています。本講演では、がんの微小環境におけるがん細胞と免疫細胞のネットワークの解析に基づいた新たな免疫治療法の開発についても議論します。
文献:
1. Narumi K, Miyakawa R, Ueda R, Hashimoto H, Yamamoto Y, Yoshida T, Aoki K. Pro-inflammatory proteins S100A8/S100A9 activate natural killer cells via Interaction with a receptor of advanced glycation endproduct. J Immunol 194: 5539, 2015.2. Hashimoto H, Ueda R, Narumi K, Heike Y, Yoshida T, Aoki K. Type I IFN gene delivery suppresses regulatory T cells within tumors. Cancer Gene Ther 21:532-41, 2014.3. Udagawa T, Narumi K, Suzuki K, Aida K, Miyakawa R, Ikarashi Y, Makimoto A, Chikaraishi T, Yoshida T,Aoki K. VEGF-D-mediated blockade of regulatory T cells within tumors is induced by hematopoietic stem cell transplantation. J Immunol 191: 3440-3452, 2013.
主催:腫瘍医科学研究室
連絡先:吉松康裕(yoshimat@toyaku.ac.jp)
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